人間賛歌ブログ

映画、音楽、仕事、食べ物、、自分が取り込んだもので自分がどうやって成長していくかの記録です。

イントゥ・ザ・ワイルドを観ました。

 

やっと見れた〜。高校からの友人の勧めでこの作品を知り、次の日にはゲオに行ってレンタルするも、1週間の間に封を切ることなく返却。ついこの間のツタヤの旧作100円セールの時に、今度こそは!と意を決し、イントゥ・ザ・ワイルドを含む4作品をレンタルするも、消化できず。さらには延滞までするという暴挙に。1200円の延滞料金を払ったときに、「この作品はもう借りるのはよそう」と思った。夏休みの間、課された課題や就職活動に嫌気がさし、ゲオに赴くとこの作品は他のDVDより光って見えた。しかし、その作品を手に取ると、DVDのパッケージには収録時間148分と書かれており、「最後まで画面に向かえるか?」という自問自答を3〜5回ほど繰り返した。最終的にウォルター少年と、夏の休日と一緒にこの作品をレンタルし、今に至る。 
 最近ロードムービーの見すぎで、ロードムービーはもうお腹一杯だよと思っていたにも関わらず、この作品はスーッと心に染み入ってきた。それも、この主人公と同じように今(これから)の生き方に疑問を持っていたからなのだろうか。それとも、自分もこんな自由な生き方をしてみたいと思ったからなのだろうか。

以下あらすじ。

裕福な家庭に生まれ、物質的に恵まれた環境で育ったクリスは大学を優秀な成績で卒業する。 両親はハーバードのロースクールに進学することを望んだが、金で物ばかりを与える親に嫌気が差したクリスは学資預金を寄付し、 身分証を切捨て、この世界の真理を求めアラスカへと旅に出る。旅路の中で様々な人と触れ合い、本当の幸せとは何かを知る。

ウィキペディアより。

 世間一般的に見て、成功した(幸せをつかんだ)両親の元にクリスは生まれるんだけど、その成功したとされる両親の姿というのは彼や彼の妹から見たら、決して幸せとは言えなかった。世の中には「お金よりも大切なものがある〜」なんて言葉があるけれども、まさにこの家族にはその言葉が当てはまる。両親は彼らが子どもの頃から喧嘩ばかりであった。そんな家庭内の事情を知らない、他の大人たちは彼らの家族を見て、裕福で幸せだと羨んだ。しかし、子どもたちから見たら、裕福=幸せには繋がらなかった。そんなお金があるという物質的な幸せは本当の幸せではないというクリスの考えが彼を旅へと誘う。金や権力を捨てて、自分の身一つ(厳密に言えば、色々持って行ってる。バックパッカーな感じ)でアラスカの荒野を目指す。
 そのアラスカへの旅の中で、彼は様々な人たちに出会う。関係が不仲な中年のヒッピーカップルや大農場を経営するおじさんや第二次大戦の最中に家族を失い、一人身のおじいさん。旅の途中で出会った人々それぞれに抱えている問題があって、クリスとの接触を経て、彼らの問題は解決していく。不仲だったカップルは昔のように仲が良くなり、大農場を経営するおっさんは違法の衛星回線を使ってるのが警察にばれてしまって逮捕されたけど。なんだろう、その旅で出会った登場人物たちの幸せというものがこの映画を見ている人間にも自然と見えてくる。「この人の幸せはαで、この人の幸せはβなんだ」と素直に受け取ることが出来る。そうやって自然と気づくことが出来るのは、クリスが本当の幸せってなんだろうと思いながら旅をしているからなんだと思う。物語の所々に幸せという言葉が出てくる所為もあるんだろうね。彼がこのアラスカを目指す旅に持っていった本の中にトルストイの「家庭の幸福」という本がある。その本の一説、トルストイの幸福についてを彼が読むシーンがある。

私は長いこと生きてきて、ようやく幸福のために何が必要かわかった気がする。それは、田舎で静かな隠遁生活を送り、人々の役に立つことだ。人に良くすることは簡単だ―親切にされることに慣れていないから、感謝される。さらに必要なのは、人の役に立ちそうな仕事をすること。あとは、自然、書物、音楽、隣人を愛すること。そして何より必要なのは、人生の伴侶と、子どもへの愛だ。他に何を望むことがあるだろうか

クリスにとってトルストイの考える幸福は憧れの幸福だったんじゃないかな。というもの、彼の今までの生活はトルストイの言う幸福とは正反対のものだったしからね。なんだか、このシーンは感慨深いというか何か思うところがあった。最後のシーンで彼の中で幸せの定義づけが完成される。皮肉なことに本当の幸せに気づいたときには彼は死の間際だった。トルストイの「家庭の幸福」に自分の幸せの定義を書くんだけど、その一文がまたいい。

"HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED"
"幸福が現実となるのはそれを誰かと分かち合った時だ。"

んー、いいね。旅の最中に出会った人たちの幸福をそばで見てきて、一緒に体験した彼にしか生み出せない一文だなあと素直に思ったし、実際にこの旅を経験したわけではない自分にもどこか共感出来てしまうこの一文には、なんだか納得させられたし、感動した。このDVD買ってしまおうかな。。。

将来について考える今の時期に見ることが出来て良かったなあと思いつつも、また何か不安になったり、路頭に迷うようなことがあったときにこの映画を見ようと思いました。

個人的になんだけど、この映画とcold play の曲がマッチしてるイメージ。


イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

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