人間賛歌ブログ

映画、音楽、仕事、食べ物、、自分が取り込んだもので自分がどうやって成長していくかの記録です。

茄子 アンダルシアの夏 と 茄子 スーツケースの渡り鳥を観ました。

 

茄子シリーズをニ作品観ました。アンダルシアの夏は夏休みに、スーツケースの渡り鳥はたった今、観終えました。近所のゲオにはジブリ作品と同じ棚に陳列されていて、果たしてこれはジブリ作品なのかと少しだけゲオに突っ込みたくなりました。制作は数多くの有名アニメ作品に携わってきたマッドハウス。監督はジブリ作品で作画監督を務めたことのある高坂希太郎さん。だから、ジブリ作品と一緒に並べられていたのか。

以下、あらすじ。
茄子 アンダルシアの夏

スペインの自転車ロードレース、ブエルタ・ア・エスパーニャを舞台に、主人公が解雇の危機や、かつての恋人と兄の結婚という複雑な思いを抱きながらも、プロロードレーサーとして「仕事」に取り組むさまを描く。

茄子 スーツケースの渡り鳥

パオパオビール・チームは日本で開催されるレースに参加することになった。その頃、ペペの同僚のチョッチの練習仲間で、かつて世界選手権を制したこともある名選手、マルコ・ロンダニーニが急逝する。悲しみの中、ジャパンカップが行われる日本・宇都宮へとチームは向かう。

ウィキペディアより。

正直なところ、アンダルシアの夏の方は2ヶ月くらい前に観たので記憶が曖昧。ただ、夏×自転車×人っていいなあと思った気がする。あと、そのときはこの作品はジブリ作品なんだと思いこんでいたから、ジブリにしてはどこか現代のアニメ的な作画だなあと不思議に思いながら観てた。人の表情とか自転車の動きだとか。

とりあえず、スーツケースの渡り鳥の感想だけでも。
 前作の主人公であるぺぺは今作にも登場するんだけど、今回は主人公というよりは、チョッチの引き立て役になっている気が。引き立て役というか、チョッチと相反するものとして描かれていたのかなあ。
選手として、勝つためにロードレースを行うぺぺと、同じようにロードレースの選手ではあるんだけれども、勝つことにぺぺ程の執着はなく、どこかその今の自分に生き方に不満があるチョッチ。それは、マルコが亡くなったときにも強く表されている。

マルコの葬儀のあと、帰りの車の中で

チョッチ「人は神様にはなれない。弱い存在だよな」

ぺぺ「でも、強かったよな」

という会話がある。あくまでも主観的な意見ではあるが、チョッチはマルコの人間的な側面について話し、それに対し、ぺぺはマルコの選手の側面について話した。僕はそんな風に感じとった。
レースの最中、ぺぺがアクシデントに見舞われたとき彼は「何があるかわからねえから人生楽しいのよ」と言った。チョッチが先行き不安な将来を憂いている中、ぺぺはそう言ったのだ。チーム・パオパオビールの仲間達の新しい職場が決まる中、ぺぺもチョッチもこのジャパンカップ後のチームや職場はまだ決まっていなかった。このロードレースについて詳しくは知らないのでナンとも言えないが、非常に流動的な環境なのだろう。だからこそ、何が起こるか分からない今の生き方にチョッチは不安を感じ、ぺぺはその不安定さを楽しんでいるのだろう。
レースの後半で、諦めかけていたチョッチはマルコの幻想を見る。マルコがチョッチを励ますと、チョッチは「こんな生き方はもう嫌だ」と言う。それを聞いたマルコは一息おいて、「じゃあ、やめちまうか。そのほうが楽だぜ」と笑顔で返した。その後で、チョッチは息を吹き返したように走り出すんだけれど、ここでチョッチが何を思ったのかは彼自身にしか分からない。このままでは終われないという選手としてのプライドなのか、それとも楽な道に逃げようとした自分からの逃走なのか、どれも彼に当てはまりそうだけど、彼自身にしかその時の感情は分からない。ただ、そのあとのチョッチの表情は物語の前半とは大きく異なり、とても晴れ晴れとしたものに変わっていた。いい意味で吹っ切れたんだと思う。

人生の路頭に迷った者が吸い寄せられると言う千手観音像の前で、その寺の住職から
「人の一生は重荷を背負って長き道を行くが如し。まるでお前さんたちのレースのようじゃな」と言われる。
それに対して、「人生は楽しく幸せであるべきだ」とチョッチが言う。でも、その顔はどこか明るい表情に見えた。


個人的にザンコーニの立ち位置がよく分からなかったのでググってみると、ヤフー知恵袋にこんな回答が。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1414644299
なるほど。マルコの死因が自殺だったことをすっかり忘れていた。。。

あと、高坂監督に直接インタビューしてた記事もあったので。
http://dx.cyclingtime.com/series/cyclingpeople/kousaka01/neta.html

54分という、一時間にも満たない作品のなかにこれほどのドラマや人間性を描くなんてすごすぎる。原作買ってみようかな。余談ですが、このときベルギー産のビール、ユーロポップを頂いてました。